予防医学
2007年10月1日には東京・霞が関にある日本郵政の本社で「日本郵政グループ発足式」が行われた。グループの持株会社となる日本郵政の西川善文社長、福田康夫首相、増田寛也総務大臣に加え、郵政民営化を推し進めた小泉純一郎も出席した。小泉は発足式の中で、従来は全政党が反対していた「郵政民営化」を実現できたのは国民による支持があったからこそであると述べている。民間企業の多くは総資産338兆円・従業員24万人を抱える巨大企業グループを警戒視しており、今後の「公共性の維持」と「効率化」との両立が課題とされている。 組織 日本郵政グループの組織図郵政民営化関連の転職サイト では日本郵政公社を以下の6つの組織に分けている。 日本郵政株式会社(JP 日本郵政) 郵便事業株式会社・郵便局株式会社の全ての発行済み株式を保有・管理する。 上記2社の経営管理や業務支援を行う。 2017年度の株式上場を果たし、2017年9月末までに郵便貯金銀行・郵便保険会社の保有株式を完全処分する。ただし、完全処分後の株式買い戻しも法律で認められている。 郵便事業株式会社(JP 日本郵便) 郵便業務・収入印紙の売りさばきを行う。 郵便局株式会社(JP 郵便局) 郵便局・郵便窓口を通じた窓口サービスを行う。 郵便貯金銀行(JP ゆうちょ銀行) 従来の通常郵便貯金などを郵政公社から継承し、郵便貯金業務を行う。 2009年度から2010年度の期間中に株式上場を果たし、2017年9月末までに完全民営化を目指す。 郵便保険会社(JP かんぽ生命) 生命保険業務を行う。 郵便貯金銀行と同様に、2009年度から2010年度の期間中に株式上場を果たし、2017年9月末までに完全民営化を目指す。 独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構 従来の郵便貯金契約(通常郵便貯金などを除く)・簡易生命保険契約を承継・管理する。 資金運営と新規預金や保険、総合口座の残額管理については郵便貯金銀行、郵便保険会社に移管されるため、長期的には郵便貯金・簡易生命保険管理機構は廃止が視野に入れられている。ただし、郵政民営化法や独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構法では、廃止については全く言及がない。松原聡著『これならわかる!「郵政民営化」』(中央経済社)では旧勘定が無くなった段階で「廃止される見込み」とあるが、その法的根拠が無いため、道路公団のように、一時的と考えられた特殊法人が長期化することを予想する声もある。 政府の機関としては、2004年5月1日に内閣官房郵政民営化準備室(2005年11月10日以降は内閣官房郵政民営化推進室)が設置され、渡辺好明内閣総理大臣補佐官が室長を兼務し、2004年9月27日には、竹中平蔵国務大臣が郵政民営化担当大臣に任命され、両名は2006年9月26日までその任に当たった。その後、郵政民営化担当大臣は、菅義偉総務大臣が務め、2007年8月26日からは増田寛也総務大臣にその任が引き継がれた。 職員の帰属 日本郵政公社の正規職員は民営分社化によって5つの新会社に振り分けられた。基本的にこれまで従事してきた業務を引き続き従事できるような振り分けとなっている。特定郵便局の職員は郵便局会社へ帰属。集配郵便局で郵便関係の業務に従事していた職員のうち外務職員は郵便事業会社へ帰属、内務職員については殆どが郵便事業会社へ帰属となったが、一部の内務職員は郵便局会社へ帰属した者もいる。貯金業務に従事していた職員はゆうちょ銀行直営店併設局ではゆうちょ銀行、非併設局では郵便局会社へ帰属となった。保険業務に従事していた職員は法人営業に従事していた職員はかんぽ生命、その他の職員は郵便局会社に帰属となった。ただ、総務担当の職員については各自、日本郵政を除く4社へ振り分けられた。本社・支社職員については所属していた部署を基本線に5つの新会社に振り分けられた。病院および宿泊施設の職員は日本郵政へ帰属となった。 郵政短時間職員は全員、郵便事業会社に帰属。非正規職員(ゆうメイト)は2007年9月30日付けで一旦全員解雇となり、民営化以降これまで従事してきた業務を行う新会社に引き続き採用となった。 郵政民営化に対する意見 日本郵政グループと他社との比較 行政改革効果 国鉄、電電公社、専売公社の民営化を上回る戦後最大規模の改革とも謳われ、その主たる目的は財政投融資を廃止することとされている。これにより、約340兆円という潤沢な郵貯資金を特殊法人などに代表される政府機関ではなく、個人や民間企業に融資できるようにすることで、日本経済の活性化が図れるとされている。加えて、これまでは免除されていた法人税・法人事業税・固定資産税・印紙税や郵便事業会社・ゆうちょ銀行・かんぽ生命保険から郵便局会社に支払われる委託手数料にかかる消費税、看護師 求人 の株式を政府が売却することで得られる収益によって財政再建も図れるとしている。 しかしながら、国はこれまで郵便貯金が最大の引き受け手であり、民間の金融機関と違い長期的に保有することで国債を大量に発行できていた側面があるため、ゆうちょ銀行の引き受け額が減少すると国家財政が破綻する危険性が高まるのではないかと不安視する意見もある。他方で、小泉内閣発足後に財務省が個人向け国債の販売を開始していること[10]や、政府機関等が民間金融機関から貸出を受けたり 債券を購入してもらっていることなどから、財政投融資を廃止しても実質的には同様の効果が存続するのではないかと疑問視する声もある。 自民党は2005年の郵政選挙の際、約26万人いる郵政公社の常勤職員が民間人になれば、その分の政府負担が減少すると試算し、「郵政民営化によって公務員が削減され財政再建につながる」と主張した。しかし、郵政公社は「独立採算」であるため職員の給与などに税金は一切使われておらず(税制面での優遇措置はあった)、公社職員を民間人にしても政府は人件費負担を抑えることにはならない。 郵政民営化法成立後、このことは一般に広く知られるようになった。ただし、民間人になることで人件費を経営陣が調整できるようになるという利点も挙げられる。 また、民営化しなかった場合には、郵政公社が長期的にみて全体として赤字転落するとの試算があり、これを理由として民営化による業務効率化・合理化を求める声もある。事実、郵便引き受け数は2001年をピークに減少している。しかし、2004年度末においての郵政三事業は、長年赤字であった郵便事業も含めそれぞれ黒字になっていた。 2003年4月1日に公社化された際に「5年間の成果を踏まえた上で民営化を論議する」という先送り論が出たがこれは無視された。また、後述のような外国の例を挙げて、民営化賛成派はドイツを、反対派はニュージーランドの例を挙げていることが多かった。 事業合理化の可能性 JRでみられた赤字路線の廃止・転換の様に、監視カメラ の不採算地域での特定郵便局の廃止・統合などサービスの打切り・後退の可能性が指摘されている。これについては、民営化後に発足する郵便局会社に対して、郵政民営化に関連する法律や総務省令では、過疎地でのサービス水準を維持するよう義務付けるなど、一定の歯止めをかけている。これに対して、日本郵政の西川善文社長や郵便局会社の川茂夫会長は報道機関によるインタビューの中で、ゆうちょ銀行・かんぽ生命はそれぞれ郵便局会社との長期的な代理店契約を結ぶことで、現在の24,000局という郵便局ネットワークは維持されるとしたうえで、両社の完全民営化の前に収益性の低い郵便局からの業務委託停止・撤退は無いとの考えを示している。 その一方で、民営化前から巨額の赤字を抱えていた国鉄と郵政事業を単純に比較できないとの主張も存在する。ちなみに、電電公社民営化の際も、過疎地で電話が利用できなくなるのではないか、といった反対意見が出された。国鉄では6つの地域会社と貨物会社に分割民営化されたが、郵政三事業では事業ごとに分割民営化し地域ごとの分割は行われない。これは郵便事業は鉄道事業に比べて日本全国均一のサービスを行うことが重要視されているためである。また、国鉄分割民営化と異なる点として、郵便事業ではライバルとなる民間企業が、過疎地や離島などでも宅配便やメール便のサービスをすでに実施しているため、郵便が営業範囲を縮小したとしても信書を除いて他の民間企業がその減少分をカバーできるとされている。しかし、貯金・保険事業については、利益が見込めないなどの理由により郵便局以外の金融機関が元々なかったり、経営合理化などによって撤退された地域では、国鉄民営化で発生した「鉄道空白地」と同様に「金融空白地」が出来るのではないかと警戒を強めている。 郵便局の廃止に関しては、現実にいくつかの郵便局が廃止されており[11]、簡易郵便局においては、民営化直前に一時閉鎖や貯金・保険業務の廃止が相次いでいる[12]。民営化前から簡易郵便局の減少を危惧した日本郵政公社は、2007年1月から受託料の40%〜50%弱引き上げ、窓口端末や防犯カメラなどの設置費用の公社負担などを実施していたが、あまり成果は上がらなかった。これは、簡易郵便局の主要な引き受け先である各地の農協の統廃合や、個人受諾者の高齢化などに加え、簡易郵便局が民営化に伴い、業務内容や設置方法等が大規模に変更され、法的根拠のある受託業務は郵便事業のみとなったことにも起因している。民営化後に新規に簡易郵便局を設置する場合、銀行業務と保険業務を受託することが非常に困難になる(詳細については簡易郵便局#郵政民営化と簡易郵便局にて記述)。また、民営化後は設置者によっては一般の利用が不可となるケースがある。これらを危惧した自治体が、実質的に自ら簡易郵便局を開設する動きもある。 ただし、郵便局会社も民営化前のサービス水準を維持させるため、データ復旧 により使用されなくなった公民館や役所など、道の駅、警備会社が別荘地などに設置している出動拠点、鉄道の無人駅(駅長と局長を兼務する形態・JR東日本との提携を検討中[13])などへ簡易郵便局を新たに設置する構想を打ち出している。また、災害発生時に被災地に対して派遣される「移動郵便局車」の台数を増やし、日本全国で一時閉鎖されている約400局の簡易郵便局の機能補てんを行うため、近隣に郵便局がない地域での定期巡回を行う考えも示している(民間の金融機関でも移動銀行窓口車を保有しているところがある)。加えて、特定地区にあるいくつかの簡易郵便局を郵便局会社の従業員が定期的に巡回し、時間帯や曜日を限定した営業を行う「定期開局」の導入も視野に入れている。また、グループの持株会社である日本郵政により、過疎地の郵便局ネットワーク維持のため、赤字補てんを目的とした1兆円(最大2兆円)規模の「基金」も設置されている[14]。 郵便事業に関しては、分社化による業務管理等の問題から旧公社時代より段階的に集配郵便局を再編した。例えば、東京、鹿児島、沖縄の一部離島では、従来島にある郵便局ごとに行っていた集配業務を、本島の支店が設置した集配センターや隣接する島にある支店に統廃合した。また、山間部を配達する従業員は新聞社から委託を受け新聞と郵便の配達を併せて行っているが、配達が昼過ぎになってしまうことから住民からは不満の声が上がっている[15]。過疎地の集配センターでは従業員の数が削減され、郵便物の配達時間が遅れたりするケースも出てきたり、非集配局への降格のためにゆうゆう窓口が廃止されるところも発生した。「書留やゆうパック等の当日再配達の受付締切時刻が大幅に短縮され、日中留守にする家庭では事実上再配達が翌日以降になってしまう」「ポストの郵便物収集回数が1日1回となってしまった」「ゆうゆう窓口を利用できない」などの声もある。一方で、一部支店では書留やゆうパックの配達開始時間を早朝から始めたり、集配センターから支店を経由せず配送するようになった地域では、従来より郵便物の届く時間が早くなっている事例もある。なお、より一層の業務合理化を目指すため従業員数の大規模な削減と契約社員化が報道されている